
EAの「本当のリスク」発覚!日中変動が暴く隠れた危険
D1のトレードを保有中だけM1で含み損益展開し、口座equityを分単位再構築 → 日中の日次/最大損失抵触を検出。
本記事は「EAの「本当のリスク」発覚!日中変動が暴く隠れた危険」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。

図: 逆張り(RSI)のシグナル例(EURUSD 日足・実データ)。RSIが売られすぎ圏に入った反発を狙います。
今回は、私たちが開発しているEAの「本当のリスク」を測るための新しい方法を試してみたお話です。これまで見えにくかった「日中の危ない瞬間」をしっかり捉えることで、EAの評価がガラッと変わる、という発見がありました。
どんなアイデア?
私たちが使っているEAの中には、「D1(日足)」という、1日に1回しか足が確定しない時間軸でトレードするものがあります。このタイプのEAは、1日の終わりに損益が確定するので、その日の途中でどれくらい含み損(まだ確定していない損失)を抱えていたか、というのが通常のテストでは見えにくいんです。 でも、EAを動かしている間、口座のお金(equity = 有効証拠金)は刻一刻と変動していますよね?たとえ日足がプラスで終わっても、日中のどこかで大きな含み損を抱えて、危ない橋を渡っていた可能性もあります。 そこで、「D1足で動くEAのトレード中も、M1(1分足)レベルで口座の損益変動をしっかりチェックして、設定している『日次最大損失ルール』に引っかからないか詳細に見てみよう!」というアイデアを試してみました。 これは、まるで登山で「今日の最終目的地まで行けたからOK!」と喜んでいても、途中で滑落寸前になったり、かなり危険な場所を通過していたりするのを見逃さないように、足元までしっかりチェックするようなイメージですね。
どうやって試した?
今回は、私たちが以前から検証している「D1のRSI(相対力指数)を使った逆張りEA」を、日本円(JPY)の通貨ペアで試してみました。 特に、OOS(アウトオブサンプル = EA開発時に使っていない、未来のデータに近い期間)でのテストなので、過去のデータに最適化しすぎていないかを確認する、より実践的な検証方法です。このEAは、以前のテストでは「合格」とされていたものなんですよ。
結果はどうだった?
従来の評価と、新しい評価の違いに衝撃!
まず、従来の「バー評価」(日足ベースの評価)では、このEAの「最悪の日次損失」はなんと「0.00%」と出ていました。つまり、どんなに悪い日でもルール上の損失は出ていない、「無傷」だと判断されていたんです。 ところが、今回導入した「M1(1分足)での詳細なチェック」では、衝撃の事実が判明しました! なんと、**2024年4月29日に、日中の含み損が一時的に-6.32%にまで達してしまい、設定していた「日次最大損失ルール」に引っかかって「失格」**と判断されてしまったんです。
なぜこんな違いが?
これは、日足(D1)のデータが1日に1回しか記録されないため、その日の途中でどんなに損失が膨らんでいても、もし日足が確定するまでに回復してしまえば、「その日の損失は0」と見えてしまう、というEA検証の「落とし穴」だったんですね。 例えるなら、「今日の体重は朝測ったからOK!」と思っていても、日中にたくさん食べて体重が増えていた時間があったのを見逃していた、というような感じです。
「失格」の背景には納得感も
ちなみに、この2024年4月29日という日付、何かピンと来ませんか?そう、USD/JPYの「為替介入」があった日として記憶に新しいですよね。 私たちのRSI逆張りEAは、相場の逆を行く戦略なので、介入という一方的な大きな動きに逆らってしまい、結果的に大きな含み損を抱えてしまった、というわけです。これはEAの特性を考えると、非常に納得感のある「被弾」だったと言えます。
ここから学んだこと
これまでの評価では、「合格率38%」「EV(期待値 = 1回のトレードあたり平均でどれくらい利益が出るか)はプラス7万円」と、なかなか良い成績に見えていました。 しかし、今回のM1詳細チェックで分かったのは、「実はこの期間のテストでは、一発で失格していた」という厳しい現実です。つまり、従来の評価は「楽観的」だった、ということなんですね。 今回の新しい検証方法(研究⑫(A))によって、EAの「正直な物差し」が手に入った、と言えるでしょう。これまでは「今日の最終地点」しか見ていなかったけれど、これからは「途中でどれだけ危ない目にあったか」までしっかり記録できるようになった、というイメージです。
次のステップ
今回の結果を受けて、今後はこの「日中失格」という事実もEAの期待値(EV)やモンテカルロシミュレーション(MC = 多数のシナリオをシミュレーションして、より現実的な結果を予測する手法)にしっかり反映させて、もっと信頼できるEA評価にしていきます。 そして、その上で、どんな相場でも通用する「頑健な優位性(エッジ)(優位性)」を持ったEAの探索(研究⑫(B)や(C))をさらに進めていく予定です。 EAの真のパフォーマンスを見つける旅は、まだまだ続きますね!