
プロップ挑戦!EAの「期待値」が暴く勝てる仕組み
Fintokei クオーツ(100万円/参加費¥12,500/risk1%): 総合EV **+¥71,227**(合格率38%・資金化後出金9.3%・寿命311日)。
本記事は「プロップ挑戦!EAの「期待値」が暴く勝てる仕組み」の検証を、はじめての方にも分かるようにまとめたものです。
今回は、FXの資金提供サービス、いわゆる「プロップファーム」のチャレンジについて、私たちが開発したEA(自動売買プログラム)がどれくらいの「期待値(EV)」を持っているのか、少し深掘りして調べてみました。
どんなアイデア?
私たちが今回目をつけたのは、Fintokeiさんの「クオーツ」という100万円のチャレンジプランです。参加費は12,500円で、1回のトレードでのリスクは口座資金の1%に設定しています。 このチャレンジに私たちのEAが挑戦したら、長期的にはどれくらいの利益が期待できるんだろう?というのが最初の疑問でした。ここでいう「期待値(EV)」というのは、簡単に言うと「このチャレンジに何度も挑戦したとして、1回あたり平均でどれくらいの損益になるか」という数字のこと。例えば、宝くじの期待値がマイナスになるのと同じように、FXでも自分のトレード手法にどれくらいの優位性があるかを測る大事な指標なんです。
どうやって試した?
私たちは、過去のトレードデータをもとに、未来のシナリオを何千、何万回とシミュレーションする「モンテカルロシミュレーション」という手法を使ってEVを計算してみました。これは、サイコロを何回も振って確率を予測するようなイメージですね。 このシミュレーションでは、チャレンジの合格率(私たちのEAだと38%)、合格後に実際に利益を出金できる確率(9.3%)、そしてチャレンジが続く期間(平均311日)なども考慮に入れて、総合的なEVを算出しました。 最初の計算結果は、なんと**+71,227円**!一見すると、「おお、これは素晴らしい!参加費を払っても、平均してこれだけプラスになるなら挑戦する価値があるぞ!」という数字に見えました。
あれ?なんかおかしいぞ?「感度分析」でわかったこと
しかし、この結果を鵜呑みにするのはちょっと待ってください、と私たちは立ち止まりました。本当にこのEVが正しいのか?何か見落としはないか? そこで次に、「感度分析」という検証をしてみました。これは、ある特定の条件を変えたときに、結果がどう変化するかを見る手法です。私たちが試したのは、「もし私たちのEAに、トレードの『優位性(エッジ)(優位性)』が全くなかったらどうなるか?」というシナリオです。優位性とは、例えば「この条件が揃うと高い確率で利益が出やすい」といった、勝ちやすい要素のことですね。 もし優位性がゼロ、つまり勝つか負けるかは完全に五分五分のランダムなトレードだったとしたら、期待値は本来ゼロか、プロップファームの参加費や手数料を考えるとマイナスになるはずです。だって、プロップファームのビジネスモデルは、参加者全体で見れば会社が儲かる「ハウス優位」になっているはずですから。カジノでプレイヤーの期待値がプラスになることはありませんよね? ところが、この「優位性=ゼロ」という条件でシミュレーションしてみた結果、なんとEVは**+45,753円**というプラスの数字が出てしまったんです!これはもう、「モデルが楽観的すぎる決定的証拠」と言わざるを得ません。
原因はどこにあったんだろう?
なぜこんなに楽観的な数字が出たのか、その原因を深掘りしてみました。 私たちがEV計算に使った「日次リターンMC(モンテカルロシミュレーション)」に大きな落とし穴があったんです。プロップファームのチャレンジでは、「日中の最大損失」や「全体の最大損失」といったルールが厳しく設定されています。例えば、「1日の途中で口座資金が5%減ったら、その時点でチャレンジは失敗」といったルールですね。 ところが、日次リターンベースのシミュレーションだと、この「日中の瞬間的な損失」をうまく捉えきれていなかったんです。たとえるなら、登山で「途中で大きく滑り落ちたら即リタイア」というルールがあるのに、毎日寝る前の標高しか見ていなかったようなもの。日中の滑落(瞬間損失)を見落としてしまうと、実際よりもチャレンジが長く続き、成功する確率も高く見積もられてしまうわけです。 さらに、シミュレーションの設定で「コスト後ゼロ」という前提を置いていたのも原因の一つでした。これは、参加費などのコストを引いた後でも、損益がゼロになるという楽観的な仮定です。実際には参加費がある以上、最初からマイナススタートなので、現実とはかけ離れていました。
今回の検証から学んだこと
今回の検証で、私たちが当初算出した「+71,227円」という総合EVは、残念ながら信用できないという結論に至りました。現在の私たちのEAでは、プロップファームのチャレンジに挑戦しても、実質的な期待値はマイナスである可能性が高い、ということがはっきりしました。 この結果を受けて、私たちはEAの検証方法と開発方針を見直すことにしました。
- 改善策1:もっと現実的なリスクモデルを作る 日中の細かい値動き(M1データなど)をしっかり反映させて、プロップファームの厳しい損失ルールに抵触する可能性を、より正確にシミュレーションできるモデルを作る必要があります。
- 改善策2:真の「頑健な優位性」を見つける どんな相場状況でも通用するような、より強力で安定した優位性(優位性)を持つEAを開発することが、何よりも重要だと再認識しました。 それまでは、プロップファームのチャレンジに挑戦するとしても、「下振れ(期待値よりも悪い結果になること)」として、参加費を失う可能性をきちんと理解した上で、無理のない「小さな計算済みリスク」として割り切って楽しむ範囲に留めるべきだと考えています。 EA開発は奥が深く、時に厳しい現実を突きつけられることもありますが、こうした検証を重ねることで、より良いEAへと進化させていきたいと思っています。